新譜に付いて;その2

今回は ACOUSTIC FLUID の収録曲について書きます

1. Current
今回のアルバムのための書き下ろし曲です
止まることのない時間の流れ 空気の流れ 揺らぎ
行間を自由に感じてもらうために 音数を極力少なくしルバートで演奏しています

2. Last Moon Nearly Full
満月の一夜前物事が満ちる一歩手前
テーマの中間部のコントラリー・モーションが完全形へと向かう緊張感と勢いを表現しています

3. Conversations with Moore
イギリスの造形作家 Henry Spencer Moore 氏の作品へのオマージュ
起伏に富んだ曲線の連なりと その中に必ず存在する空間
5/8拍子で繰り返されるオスティナートからの広がりがムーア氏の作品の特徴を表しています

4. The Last Day of Summer
今日で夏が最後だと感じた日の焦燥感や移り行く季節への期待感
メロディック・マイナー・モード由来の独特の浮遊感・緊張感が続きます

5. 十五夜
月 雲 風 薄 虫の声
それらが奏でるサウンドスケープ
テーマの後はフリー・インプロビゼイションが展開されます

6. Slumber
まどろみ
現実と夢との間
幸せな夢 大冒険 悪夢
曲の中で様々な場面が展開されます

7. The Color of Silence
静寂の色彩
全編ルバートで演奏し 時間軸を取り払うことで感じる空間の奥行き
この曲はテープに少し空きがあったので一日目の最後に予備曲として録りました
実は本来はアルバムに入れる予定ではなかった曲なのです

8. Journey
人は皆旅の途中
高速のシンバル・レガートと緩やかなメロディー・ラインの対比によるうねり
サックスによるメロディーとピアノを中心とした時間軸とがドラムスに複雑にシンクロします

9. Home
帰るための場所
帰るべき場所


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